温泉旅行の話。有馬篇
僕は年に一度、高校の友人達と共に旅行に行くのが慣習となっている。
目的は温泉。
温泉街をぶらつき、各々特色のある湯に浸かり
あったかぬくぬく。
実にオヤジ臭い。だがそれがいい。
愛媛の道後、グンマーの伊香保、兵庫の城崎を経て
今年は同じく兵庫の有馬。
日本三古湯や三名湯として名を轟かせる温泉である。
わくわく。
ここで愉快な仲間達を紹介しようと思う。
R太
ドライバー兼おしゃれ担当。
自撮り大好きインスタグラマー。独身。
T本
イケメン担当。
体調不良の嫁を置いて堂々たる参戦。
K助
ブレイン担当。
最近増えつつある米津玄師のにわかファンに対して
深い憎しみを抱く。独身。
I場
イケメン担当その2。元走り屋。
伊香保旅行時、覆面パトカーの見分け方について語った
数分後に覆面パトカーに捕まるという高等技術を魅せて
くれた。
一癖や二癖では収まらない。
全て語るなら三日三晩では終わらぬ猛者達。
戦友と書いて「せんゆう」と読む。
そのままじゃねぇか。
いざ、出発。
天気、曇り時々雨。
何故かこのメンバーで出掛けるとお天道さまを拝めない。
誰だ雨男。
因みに行き先は有馬温泉以外フリー。
喰われるT本。
とりあえず須磨水族館で時間を潰す。
宿にログイン。
部屋は和室。
旅館の和室と云えば「あのスペース」で通じるであろう広縁で煙草を吹かし、旅館概要を読む。
雰囲気に酔いしれていると、
唐突にファミマの入店音が部屋に鳴り響く。
車を停めに行っていたR太がオートロックにより締め出されてしまった為インターホンを押した模様。
なんでファミマなのよ。
雰囲気台無しだよ。
ファミチキください。
晩飯まで温泉街散策。
街道を練り歩く。
所々漏れ出る蒸気が良い味を出している。
晩飯は神戸牛しゃヴしゃヴ。
枚数は少ないが一枚のそれがボリューミー。
なのでしゃヴれない。
普通の鍋と化していた。
(撮影:R太)
他愛無い話が盛り上がり大浴場で延長戦。
露天風呂で全裸の漢5人が語る。
余談ではあるが僕達が唆し、R太が気になる女の子にクリスマスの週に会えないか誘いのLINEを送信した。
23時頃まで風呂を堪能。
…お?ここの宿、卓球部屋があるぞ?
突如開幕、卓球大会。
3回トーナメントを行った。
結果、全てK助が優勝。
圧倒的な高速サーブで敵を打ちのめす。
っょぃ。ヵてなぃ。
翌日。
早々に旅館からログアウトし、再度温泉街散策。
目指すは金の湯、銀の湯という有馬温泉でも有名な
公衆浴場。
銀の湯に5回入れば金の湯に入れる、とはR太の談。
なんだそのチョコボール方式。
また一つ余談を。
温泉街の散策途中にムキムキマッチョ軍団が現れた。
部活の遠征っぽい。
T本「あれ茶道部やで」
あの筋肉で茶道部。
お椀回し過ぎじゃなかろうか。
冗談と余談はさておき金の湯到着。
含鉄塩化物泉という事で湧き水は透明だが風呂自体は
酸化により黄土色に濁っているこの温泉。
ぬるゆ(42℃)とあつゆ(44℃)の二つに別れているのは
幅広いニーズに対応する為か。
無論挑むはあつゆ。
いざゆかん。満を持して片足を黄金へ。
もう、熱いというか痛い。
すね毛が焼ける感覚がする。
膝まで浸かった所で「ァァアンッゥ!!!!」と奇声を発しながら
ぬるゆへ。
逃げたんじゃない。戦略的撤退だ。
ぬるゆでウォームアップをして再度あつゆへ。
何だ大したことないじゃないか。
あつゆから出たら首から下が真っ赤になってました。
さて、温泉後と云えば瓶の牛乳ですね。
普通に飲めば良いモノを、男同士が集まると悪ノリが
始まる。
牛乳早飲み対決。
⚫︎ルール説明
・開始の合図はコインを回転させ、完全に停止した時。
・瓶は包装を剥ぎ、キャップは装着したままとする。
・一番先に牛乳瓶を置いた者を勝者とする。
・噴き零し対策としてバスタオルを自身の前面に展開する事。
・騒ぐ、喚く等他人に迷惑を掛けない事。
以上。
コイン役は僕に任された。
左の人差し指でコインを立て、右の同指で弾く。
同時に牛乳瓶を掴む。
割と力を込めた。20秒は回る筈。
否、それは安定したフィールドに於いての話。
一瞬の油断があった。
ーーー段差。
年季の入った椅子。細かい段差が存在している。
遠心力のバランスが崩れ、コインが揺らめく。
ーーー静止したッッッッ!!!
コンマ数秒出遅れたがキャップを勢い良く外し、牛乳を喉に流し込む。
空気も同時に吸い込み、食道が、胃が拒否反応を起こすが其れを更なる牛乳で塗り潰す。
勝つのは、誰だ。
⚫︎結果発表
同立一位:I場、R太(約4-5秒程度)
三位:僕(+0.5秒)
棄権:T本、K助(+55秒)
茶番劇も終わり銀の湯へ。
おぇ、リバースしそう。
割と普通の温泉でした。
さて第二次早飲み対決。
今回の指定飲料は有馬サイダー。
ルールは基本同じだがキャップは既に外されているのが唯一の相違点。
皆が覚悟完了した所でK助がコインを回す。
今回は段差が殆ど無い。
予想を超えた外乱は無いか思考を走らせつつ、
コインを注視する。
ーーー静止。
一斉に瓶を口に充てがう。
勝つのは、誰だ。
⚫︎結果発表
全員棄権
炭酸の逆流には勝てなかったよ…。
炭酸繋がりで、有馬温泉では有名な炭酸煎餅という
モノがある。
店も幾つかあるが、その中でも目を引くのが
(撮影:R太)
5秒て。理不尽にも程がある。
しかし、馬鹿5人衆はその理不尽に立ち向かう。
100円を払う。
はいどうぞ!の掛け声と共に焼きたての生炭酸煎餅を渡される。
急いで口に含む。
「ァァアンッゥ!!!!」
いや無理だろコレ。熱すぎ。
5秒後に賞味期限の意味を理解する。
興味がある方は是非有馬温泉を、そしてこの湯之花堂本舗さんを訪れて欲しい。
火傷には気を付けてね。
その後はお土産を物色したり
調味料ガチ勢のK助は山椒を求めたり
異人館へ行ったらリア充しかおらず独身2人が心を折られたりして今年の旅は無事終了。
来年は何処に行こうかね。
以下、旅の写真を幾つか。
堂加亭さんの看板。初見でドゥカティと読んだのは内緒。
LINEの返信が無くヘコむR太。
雰囲気は良いが只のトイレ。
ニモ!
僕。飲んではいけない水を…(撮影:R太)
ねたばれ。(撮影:R太)
以上。お付き合い頂きありがとうございました。